発達障害のある子どもの自傷行動②~自傷行動の理由や背景~

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  • #西恭平

発達障害のある子どもの自傷行動の理由や背景について解説します。

 前回の記事では、自分の頭をたたく、腕に噛みつくといった自傷行動について簡単に紹介しました。ここでは、自傷行動の理由や背景として考えられていることを紹介します。

1.伝えたいことがうまく伝わらない

 発達障害のある子どもは、自分の気持ちや要求を言葉で表現すること、また相手の表情や言い方から気持ちを読み取ることに、難しさを抱えている場合があります。「これをしたい」「あれは嫌だ」「怖い」といった思いがうまく伝わらなかった時、そのもどかしさを自傷行動で表現したり、湧き上がる不安や焦燥感に対処しようとします。
 また、自分が伝えようとした際に、大人が注目してくれていない(と感じた)時に、頭をたたくなどの行動を通して、強く訴えようとすることもあります。特に、相手の顔を見ながら行っている場合は、そうした注目や要求のためのコミュニケーションとして行っている場合が考えられます。

2.感覚の特性

 音や光、触られる感覚などの刺激に対して、とても敏感な子もいれば、反対に鈍く感じづらい子もいます。刺激が強すぎてつらいとき、その不快さを紛らわせようとして自分の体をたたくことがあります。一方で感覚が鈍く、何か物足りないと感じている子は、強い刺激を求めて自分の腕を噛む、頭をぶつけるといった行動をしている場合も考えられます。

3.環境によるストレス

 予定が急に変更になる、大人の対応がその時々で違う、苦手な課題が長く続く、といった状況は、多くの子どもにとって負担になりますが、発達障害のある子どもには特に大きなストレスになりやすいとされています。そのストレスがたまった結果として、自傷行動という形であらわれることがあります。


 これらのほかにも、暇な時間をやり過ごすためや、興奮や感情の高まりがきっかけになることもあります。こうした複数の要素が、いくつか組み合わさっていることも多いと考えられます。
 次の回では、こうした見立てをふまえて、家庭や学校でどのような工夫や支援ができるかを取り上げていきます。

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この記事を書いた人

西恭平

大阪公立大学 国際基幹教育機構 特任助教・臨床心理士・公認心理師

これまで児童発達支援センターやクリニックの心理職,スクールカウンセラーなどとして従事。教育臨床を主な研究領域として研究に取り組んでいる。