学級づくり と 授業づくり②~先生(担任)の「子ども一人ひとりとの関係づくり」が土台です

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  • #青山芳文

 先生(担任)の「子ども一人ひとりとの関係づくり」が土台です。

 子どもは先生(担任)に対してどんな願いを持っているのでしょうか?
 もちろん、具体的な思いはみんな違います。しかし、すべての子どもに共通する願いは、次のようなことではないでしょうか。
 ① 先生、私を嫌いにならないで。(好きでいてほしい。)
 ② 先生、私のことを見ていて。
 ③ 先生、私につらい思いをさせないで。

 ①②は人間関係の基本となる基本的な欲求です。父母や先生から好かれているか否か、これは自分の存在に関わる重要なテーマです。子どもはよく「見て、見て」と言うでしょう。「私を見ていて」と。ASDの特性がある子どもの場合、①②はこの言葉どおりではないかもしれませんが、良い人間関係の中では①②が育っていきます。そして、③はすべての子どもが強く持っている願いです。

 「分かるように勉強を教えてほしい」という子どもたちの願いも、この土台となる願いの上に位置するものです。

 担任がこの願いに応える学級経営(学級づくり)をしているか、いやそれ以上に、「先生はこの私の願いに応えようとしてくれている」ということを子どもの側が感じているか否かが最大のカギとなります。
 学級経営(学級づくり)の基本、それは方法論ではありません。学級の一人ひとりの子どもが「先生は私のことを嫌いではない。見ていてくれる。つらい思いをさせないように考えてくれている」と感じることができるような学級を創っていく先生方の営みです。

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この記事を書いた人

青山芳文

現職時代の前半は小学校の教員、後半は特別支援学校の教員。

2000年前後の「特殊教育から特別支援教育への転換」の5年間は京都府教育委員会に出向し、特別支援教育の体制づくりと発達障害概念の普及に携わる。公立学校退職後10年間、大学に勤務(2023年3月立命館大学産業社会学部退職)。