ギフテッドの子どもたちに関する基礎知識⑦ 〜発達障害とギフテッド④〜

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  • #ギフテッドの子どもたちに関する基礎知識
  • #伊藤駿

はじめに

基礎知識④では、ギフテッドと発達障害の関係についてお話ししました。その両者が併存するのはあり得ることであると同時に、誤診を引き起こしやすいということもあります。そこで今回は、ギフテッドと発達障害の違いについて、お話ししていきたいと思います。ただし、重ねてになりますがこの両者は決して区分できるものではなく、併存しうるものです。相反するものでもありません。いくつかの記事に分けて事例をご紹介していきたいと思います。

宿題をやれないCさん

前回に続いて、今回は宿題に取り組めないCさんの事例を考えていきましょう。この場合も宿題よりも他のことを優先したいという場合(友達と遊びにいくのに夢中で宿題を忘れてしまう)もあるでしょうし、宿題の内容が理解できない場合、時間管理ができなくて気づいたら翌日になっているという場合も考えられます。
私が相談に乗るケースでよくあるのが百ます計算や漢字を反復して練習するのをどうしてもやらないというものです。ただし、この場合もギフテッドの子どもと言い切ることはできません。というのもその背景には、書字の苦手さゆえのもののこともありますし、わかっていることをなぜ何度もやらないといけないんだという考えのもとによることもあります。前者であればLDの可能性が検討されるでしょうし、後者であればギフテッドの可能性も検討されます。そしてなにより、その両者という可能性もあります。よくLDとギフテッドというのは相反するものと考えられてその重複はないと考えられてしまうことがありますが、LDとギフテッドの重複は体感ですが結構目にします。

おわりに

今回の事例は、佐藤駿一(2023)「医療現場で出会うギフテッドの子ども」杉田克生編集『神経発達症児童への包括的治療教育プログラムガイドブック(補)ギフティッド児支援 第4版』pp.119-123を参考にしつつ、本人が特定されない形で筆者が相談にのった事例を改変し、紹介しました。

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この記事を書いた人

伊藤駿

京都教育大学総合教育臨床センター講師(学びサポート室担当)