ギフテッドの子どもたちに関する基礎知識③ 〜おさえておきたい2つの特性②〜

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  • #ギフテッドの子どもたちに関する基礎知識
  • #伊藤駿

はじめに

基礎知識②では、おさえておきたいギフテッドの特性として、非同期発達の紹介をしました。本記事では、もう一つの特性「過興奮性」を紹介していきたいと思います。

5つの過興奮性

過興奮性とは英語のoverexcitabilitiesを訳したものです。もう少しわかりやすくいうと「激しさ」と表現しても良いかもしれません。ギフテッドの子どもたちは他の子どもたちと比較してもこの「激しさ」が大きいということが指摘されています。以下では、大きくその中身を5つに分けて紹介します。

知的過興奮性

思考が活発であり、知的好奇心が非常に高いというケースが挙げられます。ただし、こうした表記では非常に学習等に前向きで「良いこと」ではと考えられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、実際にはこうした知的好奇心が「高すぎる」ゆえに困難が生じることがあります。例えば、絶えず保護者に「これはなんでこうなるの」というように、質問をし続けるということが挙げられます。一時であれば答えられるかもしれませんが、毎日、毎時間ということになると大変です。

想像の過興奮性

ギフテッドの子どもたちの中には、想像が過度に豊かというケースもあります。空想上の友達がいたり、逆に怖い想像をしてしまい不安に悩んだりということも挙げられます。これが過度になると、心ここに在らずといったようなことになり、例えば授業を聞いていないというように見られてしまうケースもあるでしょう。

感情の過興奮性

想像と同じく、感情も非常に豊かです。それゆえに、負けず嫌いがいきすぎて、何かに負けたり、納得がいかなかったりしたときに、癇癪をおこしてしまうということもあります。学校において先生の言っていることに納得がいかず、正義感ゆえに反抗的と捉えられるような態度につながることもあります。

精神運動の過興奮性

先の感情だけでなく、行動上も激しさを持ちあわせることがあります。非常に早口で喋ったり、何かに対して熱烈な意気込みをもったりということも挙げられます。エネルギッシュと言い換えることもできます。

感覚の過興奮性

最後に感覚の過興奮性があげられます。これは端的に表現すれば、感覚過敏です。服のタグが気になってしまう、匂いに敏感など、さまざまなパターンが考えられるでしょう。

今回は、5つの過興奮性を紹介してきました。これらの特徴をもつ子どもたちを想像した時に、発達障害となにが違うのかということを想像される方も少なくないのではと思います。そこで次の記事では、発達障害とギフテッドについてお話ししていきたいと思います。

関連資料
『ギフティッド その誤診と重複診断 心理・医療・教育の現場から』 J・T ウェブら著 2019年

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この記事を書いた人

伊藤駿

京都教育大学総合教育臨床センター講師(学びサポート室担当)