キャリア発達を「性」の視点から支援する⑤ ~恋愛ってしないといけないの?~

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  • #キャリア発達を「性」の視点から支援する
  • #門下祐子

最近、「推し」という言葉をよく聞きます。
「推し」とは、主に大好きなアイドルや俳優など、
「人にオススメしたい!」
と思えるほどの人物などのことをいうそうです。
自分の好きな物や好きな人(「推し」)がいる生活って、とっても楽しそうですよね!
「推し」から、元気をもらったり、いやされたり、グッズを集めている人もいるかもしれません。

今回は、憧れの「推し」ではなく、身近にいるかもしれない「好きな人」の話をしたいと思います。

これを読んでくださっている人の中には、「好きな人」がいる人も、いない人もいるでしょう。
あるいは子どもたちをみて、
「そろそろ好きな人ができる頃かな…?」
と想像している人もいるかと思います。
「推し」が出ているドラマや、「推し」が歌っている歌に、「好きです」と告白している場面があったり、アニメやマンガでも誰かが恋をしている様子が出てきたりすることがありませんか?
身近なところでも、恋愛の話は聞いたりしますよね。

実際に恋愛してみたけど、うまくいかなくて、相手のことも「きらいになってしまった」
という人もいるかもしれません。
他にも、友達や周囲の人の「恋バナ」を聞いていると、「恋愛」によってテンションが上がったり、下がったり、ヤキモチをやいたり・・・。
その様子を見て、「なんだか大変そう」と思う人もいるかもしれません。

そもそも、友達とは別に、
「好きな人」っていないといけないのかな?
「恋愛」ってしないとだめ?
と思っている人もいるでしょう。

恋愛に興味がある人/ない人、恋愛したい人/したくない人、
それぞれいて当然です。
なので、「恋愛は誰もがしないといけないもの」ではないのです。
しかしながら、わたしたちのまわりにはなぜか、
「恋愛は誰もがするもの」
「○歳になって、誰ともお付き合いしたことがないのはおかしい」
「○歳までには結婚しなくてはいけない」
といった、「空気」のようなものがなんとなく漂っていないでしょうか?

そういった「空気」の背景には、人としてこうあるべきといった「規範」がひそんでいたりします。
「好きな人」がいることや「恋愛」にこだわらず、「自分が無理をせずに一緒にいられる人」や、「一緒にいて居心地が良い人」について視点を向けてみると良いかもしれませんね。

(キャリア発達を「性」の視点から支援する⑥につづく)

筆者紹介
門下祐子(京都教育大学 総合教育臨床センター 学びサポート室)
特別支援学校の元教諭で、現場で課題意識が芽生え研究の道に入る。著書に「シンプル性教育 いっしょに話そう!くらす・はたらくに活かす「性」のこと」(一般社団法人スローコミュニケーション)。

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