第3回:キャリア発達支援とは? ~「わたし」のキャリア発達から考える~

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  • #キャリア発達支援とは? ~「わたし」のキャリア発達から考える
  • #門下祐子

しかしながら、筆者がかかわってきた障害のある子どもたちをみてみると、必ずしもそれが当たり前とは言えない現状にあります。
かれらのなかには、たとえば授業中、
「◯◯さんにはわからないと思うから、みんなとやらずに座ってていいよ」
「難しい授業になるから、あなたはパソコン室で自由に過ごしてていいからね」
と、一見丁寧な扱いを受けているように見えますが、
「自分は大事にされていない」 
「その場から排除された」
と感じていたりすることも。

誰からも期待されず、最初から無理だろうと決めつけられ、「少しでも参加できる/わかるように」といったアプローチや役割すら与えてもらえない。
そうなると学校という場に価値が見出せず、
「行っても行かなくてもおなじ」
「先生たちは自分のことなんてどうでもいいと思ってる」
と語る生徒もいました。

他方で教員側からは、
「どのような授業の工夫があれば、障害のあるかれらが参加できるのか、具体的な方法がわからない」
「気になってはいるのだが、ゆっくり教材研究できる時間がない」
との声も聞こえてきます(教員の働き方についての改革も必要ですね)。

第1回で述べたように、キャリア教育は一度の授業で成立するものではありません。
しかしながら、日々の授業や学習活動のなかで、
「先生は何を目的にこの授業を行っているのだろう」
「子どもたち一人ひとりに活躍の場やチャレンジの機会を設けようとしているのかな?」
など、子どもたちは教員の発言や態度から、それらを敏感に感じとっています。
キャリアを重ねた「おとなのロールモデル」として常に評価されているとも言えるでしょう。

「では具体的に何からはじめればいいのか…」
そう思ったあなたは、すでに一歩を踏み出しています!
まなサポDBは先生方の授業/指導改善の一助となる情報を掲載していく予定ですので、ぜひ関心のある記事からお読みいただき、実践にご活用いただければ幸いです。

筆者紹介
門下祐子(京都教育大学 総合教育臨床センター 学びサポート室)
特別支援学校の元教諭で、現場で課題意識が芽生え研究の道に入る。著書に「シンプル性教育 いっしょに話そう!くらす・はたらくに活かす「性」のこと」(一般社団法人スローコミュニケーション)。

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