第1回:キャリア発達支援とは? ~「わたし」のキャリア発達から考える~

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  • #キャリア発達支援とは? ~「わたし」のキャリア発達から考える
  • #門下祐子

「キャリア」は、「人が生涯の中で様々な役割を果たす過程で、自らの役割の価値や自分との関係を見いだしていく連なりや積み重ね(文部科学省ホームページ)」と言われています。さらに「キャリア発達」とは、社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現していく過程(中央教育審議会,2011)とされています。

つまり「キャリア発達支援」は、就労するか否かにかかわらず、それぞれが望む生き方を実現していく過程を支援する営みであるといえるでしょう。
とは言え、「『自分が望む生き方』や『自分らしい生き方』って一体なんだろう…?」
と思ったりしませんか?
今もなお、その「問い」を模索し続けている筆者としては、それについて自信をもって語れる人が世の中にどれくらいいるのだろう…と考えたりもします。
 
ひるがえって、自身の子ども時代をさかのぼると、小学校の時から学級委員、中学校では生徒会役員、小学校から大学までバスケットボール部のキャプテンなど、一つのチームをまとめるような役割を担うことが多かったように思います。

こう書くと、非常に積極的でリーダー性があるように思いますが、当の本人としては、(特にキャプテンをしているとき)壁にぶつかることも多く、
「他の人がリーダーになった方がうまくまとまるんじゃないか」
「誰かについていく方が楽なのに、なんで引き受けたんだろう…」
と悩むことばかり。そんな自分に嫌気がさし、途中で投げ出したくなる瞬間も多々ありました。そのたびに、
「じゃあどうやったらうまくいく?」
「自分はどうしたい?」
と自問自答を繰り返す日々。今思うと、学校という社会のなかで、自分の役割を果たそうと必死にもがいていた、まさに自身の「キャリア発達」の重要な過程にあったと言えます。

何よりその発達を支えてくれたのは、先生方や友人、チームメイト、家族、地域の方などの温かな「かかわり」でした。その都度、成長のチャンスを与えてくれ、的確な言葉をかけてくださった人たちのことは決して忘れません。心から感謝しています。
(第2回へつづく)

筆者紹介
門下祐子(京都教育大学 総合教育臨床センター 学びサポート室)
特別支援学校の元教諭で、現場で課題意識が芽生え研究の道に入る。著書に「シンプル性教育 いっしょに話そう!くらす・はたらくに活かす「性」のこと」(一般社団法人スローコミュニケーション)。

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